「開けた瞬間の感動」をつくる。1日20食限定のお弁当屋「いち膳」が語る、バガス容器の魅力
愛媛県で1日20食限定のお弁当を提供する「いち膳」。
愛媛県産の食材にこだわり、開けた瞬間に感動してもらえるお弁当づくりを続けています。
バガスアンバサダーとして実際にバガス容器(さとうきびの搾りかすからできた、環境にやさしい容器)を使っているオーナーに、お弁当の感動設計からバガス容器の使い勝手まで、リアルな声を語っていただきました。
「いち膳」のコンセプト
「1日20食」——限界が生んだ、感動へのこだわり
「いち膳」のお弁当は、愛媛県にある自宅キッチンでオーナーが丁寧に手作りしています。
設備は家庭用のフライパンに、炊飯器。
1日20食というコンセプトは、その環境の中でも「旬野菜を使った可愛いお弁当」を妥協せずに届け続けたいという想いから生まれました。物理的な限界が、結果として「一品一品に手をかける」スタイルを生み出したのです。
オーナーが何より大切にしているのは、お客様がお弁当の蓋を開けた瞬間の「わあ!」という驚きです。
——声は聞こえなくてもいい。蓋を開けた瞬間、珍しい野菜を見つけた瞬間に感動してもらえるお弁当をつくりたくて、持てる力のすべてを注いでいます。
その想いを形にするため、今日も一つひとつのお弁当に工夫を重ねています。
愛媛食材へのこだわり——地元をつなぐ「食の架け橋」
「いち膳」の食材は、できるかぎり愛媛県産にこだわっています。
お弁当屋を始めてから地元の産直市に足を運ぶようになり、市内農家の野菜や新鮮な魚介との出会いが増えたとオーナーは語ります。
——「愛媛」には愛という字が入っているでしょ。『愛媛産には愛がある』
それを頭に置いて、できるだけ地元の食材を使いたいと思っています。
産直市での出会いは仕入れにとどまりません。珍しい野菜をお弁当に使い、お客様から「美味しかった」と言っていただけたら、今度はその言葉を生産者に届けたい。そしてその野菜を一番よく知る生産者ならではの食べ方や調理法を聞き、またお客様に届けたい、というのがいち膳オーナーの想いです。
生産者の想いとお客様の声をつなぐことも、「いち膳」が大切にしていることの一つです。
健康へのこだわり——「せっかく体にいい野菜だから」
砂糖はほとんど使いません。きんぴらもズッキーニやコリンキー、ビーツなど旬の野菜を使用し、味つけはオリーブオイルと塩が基本です。
——血糖値を下げてくれる野菜を食べているのに、砂糖を加えるのはどうかなと思って。
野菜本来の味を生かす調理が、お弁当全体の健康へのこだわりを支えています。
美味しそうに盛り付けるコツ、食材の選び方
いち膳のお弁当を見た人の多くが、まず「彩りの豊かさ」に目を奪われます。それは偶然ではありません。
まず「色のある野菜」を探すことから始める
彩り豊かな盛り付けは、食材選びの段階から始まっています。赤い玉ねぎ、カラフルな人参、鮮やかなミニトマト。産直市をよく見ると、同じ野菜でも色のバリエーションがあることに気づきます。
——綺麗に盛り付けるためには、綺麗な野菜が必要なんですよ。探せばいろんな色のものがある。そういう色を見つけるのに必死です。
茶色いお弁当になってしまうのは、食材の色を意識せずに選んでいることが多いといいます。まずは「今日のお弁当に、何色が足りないか」を考えながら食材を選ぶことが、美味しそうな見栄えへの第一歩です。
「一緒に炒めない」 一品ずつ、丁寧に
色鮮やかな食材を揃えたら、次に大切なのが調理の工程です。いち膳では、食材ごとの色や形を生かすため、一品ずつ丁寧に調理しています。
——全部いっぺんに炒めるんじゃなくて、一個ずつ別々に炒めるんですよ。かぼちゃ、豆類など種類別に炒め、それを一個ずつ飾る。それがトッピングになるんです。
一緒に炒めてしまうと、食材が混ざってしまい、色が濁ったり形が崩れたりしてしまいます。手間はかかりますが、一品ずつ丁寧に仕上げることで、お弁当箱の中がまるでパレットのような彩りに。
そんなひと手間が、蓋を開けた瞬間の華やかさにつながっています。
「トッピング」の感覚で、上から飾る
最近よく出しているキッシュを、ショートケーキのようにきれいに切り分けたい—そんな思いから、ひと工夫が生まれました。
ブロッコリーやミニトマトを生地に混ぜ込んで焼くと、いざ切ったときにトマトで穴が空いたり、ブロッコリーがぽろっと外れてしまったりして、断面が崩れてしまいます。
そこで今は、食材を混ぜ込まず、一人分ずつ上にトッピングするスタイルに。あえて表面に乗せることで、切り分けたときも食材がきれいに見え、見た目の華やかさがぐっと増します。
また、海鮮丼などでは小鉢のように丸いカップを使い、具材をこんもりと盛り上げるように盛りつけることで、立体感と高級感が生まれます。
——カラフルだねって言われるのが嬉しくて。色は目で食べて、旬野菜のおいしさを感じてほしい。いち膳のお弁当がお客様にとって「心と体のサプリメント」であってほしいです。
「詰め込む」から「飾る」へ。この意識の転換が、いち膳のお弁当に「開けた瞬間の感動」をもたらしています。
そんな盛り付けへのこだわりから、容器選びにも妥協はありません。
なかでも「自分のお弁当のコンセプトに合う」という点は大きいとオーナーは話します。
色鮮やかな食材を使い、開けた瞬間に感動してもらうことを目指しているいち膳にとって、ナチュラルな色味のバガス容器は食材の色を引き立ててくれる存在。日々工夫を重ねて作り上げる彩り豊かなお弁当を、より魅力的に見せてくれるのです。
バガス容器でオードブル——お客様からのご指名
今回のインタビューのきっかけになったのは、バガス容器を使ったオードブルでした。バガスアンバサダーインスタグラムにバガス容器のオードブル写真を投稿したところ、それを見た常連のお客様から「バガス容器で作ってほしい」とリクエストが届いたそうです。
——Instagramをしている人で、『おしゃれ』って言ってくれて。
お客様の方から容器を指名してくれる——そんな体験が、バガス容器への信頼をさらに深めるきっかけになりました。
バガス容器について——導入前の不安から、使ってわかったこと
「汁物に弱そう」——導入前の正直な懸念
バガスという素材名自体はアンバサダーになるまで知らなかったものの、ナチュラルな容器自体は以前から目にしていました。エコな容器を使いたいという気持ちから、いくつか試してみたこともあったそうです。導入前に最も気になっていたのは、耐水性や耐油性です。
——カレーやオムライスみたいな水分の多いものを入れたら、ふにゃふにゃになるんじゃないかって。ご飯粒もくっつきそうで心配でした 。
また、仕切りがないバガス容器は「どうやって詰めたらいいのか」という盛り付け面の不安もあったといいます。
実際に使ってわかった、バガス容器のメリット
しかし、実際に使ってみると、当初抱いていた不安の多くは解消されたそうです。
特に心配していたのが、ご飯粒の付着でした。しかし、後に耐水性・耐油性に優れ、ご飯粒も付きにくいラミ加工タイプのバガス容器があることを知りました。
——ラミ加工のものはそのまま使えますよ。私は最初知らなくてずっとクッキングシートを敷いていたんです
用途やメニューに応じてさまざまな種類の容器を選べることも、バガス容器の魅力の一つだといいます。
さらに、容器のフタがしっかり閉まる設計も、毎日の作業を助けてくれています。テープや輪ゴムで留める手間が省けるのは、一人でお弁当をつくるオーナーにとって小さくない利点です。
——バガス容器の留めが使い捨てながらすごい!助かってます。
また、実際に使ってみて強く感じたのが、見た目の良さでした。
——盛り付けたら映えます。苦労した分だけ映えるんですよ
特に印象的だったのが、バガス容器を使用したオードブルへの反応です。並べると、お客様が自然と写真を撮り始め、その見栄えの良さは想像以上だったそうです。
——みんなが来た瞬間にもう撮影タイムになるんですよ。全員が『映える』って言ってくれて。
さらに、片付けのしやすさも大きなメリットでした。プラスチック製のオードブル容器はかさばりがちですが、バガス容器は燃えるゴミとして処分できるため、後片付けの負担軽減にもつながります。
こうした使い勝手の良さから、リピート注文につながるケースも少なくありません。施設向けの注文では「ゴミの片付けが楽になる」と好評で、プラスチック容器ではなくバガス容器を選ばれることもあるそうです。
また、屋外で利用するお客様からは、「持ちやすく、厚みがあって安定感がある」といった声も寄せられています。厚みに加えて、深さもあるタイプのバガス容器は小さな子どもがこぼさず食べやすいという利点もあり、思わぬ価値を生み出しています。
作業面で使いにくいと感じたこと——正直な声
もちろん課題もあります。「蓋が一体化している容器の並べづらさ」です。
——蓋が別の方が私は好きです。狭い自宅の台所では、蓋つきだと4個置けるところが2個しか置けなくなることがあって。
バガス容器の中にも、蓋が一体型のもの、そうでないもの、どんぶり型のもの……様々な種類があります。子どもから高齢者用のピッタリ容器がチョイスでき、TPOにあわせた容器選びができるのもバガス容器の魅力だといち膳オーナーは語ります。
限られたスペースで作業する小規模店舗では、作業動線や保管スペースも考慮しながら、容器を選ぶことが重要になりそうです。
お客様の反応
バガス容器への反応は、使い始めてから大きく変わりました。最も象徴的なのが「バガス容器でお願いします」という指名注文です。
——バガスのお弁当とプラスチックのお弁当を両方並べておくと、バガスから売れるんですよ。バガスは食べにくいんじゃないかと心配していたんですけど、そんなことないって言ってもらえて。
SNS上でも変化がありました。バガス容器のオードブル写真がインスタでの反響を生み、それが新たな注文につながっています。環境への関心が高いお客様からは、素材の背景についても聞かれることがあるといいます。
——バガスのことや素材の背景をお話しすると、皆さん興味を持って聞いてくださるんです。
容器そのものだけでなく、その背景にあるストーリーもお客様との会話のきっかけになっているそうです。
なぜバガス容器を使い続けているのか
バガス容器を選ぶ理由は一言では言い表せないと、いち膳のオーナーは語ります。
環境への配慮、見栄えの良さ、ゴミ削減、そしてお客様からの指名——複数の理由が重なっています。
なかでも大きいのは、自分のお弁当づくりの考え方と合っていることです。食材や盛り付けにこだわり、開けた瞬間に感動してもらえるお弁当を目指すいち膳にとって、バガス容器は単なる入れ物ではありません。お弁当の魅力を引き立て、その想いをお客様に届けるための大切な存在になっています。
実際に使い始めてからは、お客様の反応にも変化がありました。環境への配慮という価値だけでなく、「いち膳らしさ」を表現する容器として、今では欠かせない存在になっているのです。
バガスを試してみたい、飲食店オーナーさんへ
——環境に優しいから使ってほしい、というのはもちろんあります。でも正直、最初はどう詰めたらいいか迷うんですよ。でも苦労した分だけ、映えます!
また、外で食べる用途ではバガス容器は特におすすめだといいます。
——持ちやすいし、厚みがあって安定感があります。ピクニックとか、屋外で食べるのには本当にぴったり。
「環境に優しい」だけでなく、お客様の反応や盛り付けの映えにも直結するバガス容器。
いち膳オーナーは「愛媛県食材を使った宝石箱として使っていきたい」と語ります。
いち膳でのバガス活用は、導入を迷っている飲食店オーナーにとって、リアルで頼もしい道しるべになるのではないでしょうか。
いち膳
住所:〒790-0854
愛媛県松山市岩崎町1-2-51
Instagram:@ichizen2024
なお、今回の写真は、二科会写真部としても活動されているいち膳オーナー様ご本人に撮影いただきました。
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