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冷凍食品市場が急拡大!?冷凍対応容器の選び方とおすすめをご紹介!

冷凍食品市場が急拡大!?冷凍対応容器の選び方とおすすめをご紹介!

拡大する冷凍食品市場と冷凍対応容器の需要

コロナ禍の自粛生活によって、家庭内で食事をする機会が増えたことから、簡単に調理ができ保存性にも優れた冷凍食品の需要が増えています。
冷凍食品市場が伸びている背景には、コロナ禍の影響だけではなく、冷凍技術の進歩も大きく貢献しています。

近年、さまざまな企業が冷凍食品市場へ進出し、多様化する消費者のニーズに対応する新しいコンセプトの冷凍食品が続々と開発されており、例えば「冷凍弁当」が話題にもなっています。
しかし、冷凍弁当などのように電子レンジで温めてそのまま食べるような場合には、容器がお皿の代わりになるため、電子レンジで温めても溶けない耐熱性や運搬中の容器割れを防ぐ耐寒性、また関心の高まっていることから環境にやさしい素材を使用するなど、さまざまな機能性が求められます。

今回の記事では、今後さらに需要拡大が予想される、冷凍食品におすすめの容器をご紹介します。

冷凍食品が伸びている背景と市場の変化

冷凍食品市場は年々拡大していますが、その背景には

  1. 単身者、共働き、高齢者世帯の増加
  2. 冷凍技術の進歩
  3. 新型コロナウイルス蔓延による外出自粛

などが挙げられます。
コロナ禍以前から、単身者や共働き世帯の増加などにおける社会背景の変化によって、食事の準備に時間をかけることが少なくなったため、手軽で便利な冷凍食品の需要は増加傾向にありましたが、それを陰で支えていたのが冷凍技術の進歩です。
そして、コロナ禍による自粛生活は、利便性や保存性に優れる冷凍食品の利用にさらに拍車をかけました。

ここからは、冷凍食品市場が伸びている背景やコロナ禍における冷凍食品市場の変化について解説していきます。

単身者、共働き、高齢者世帯の増加

単身者や高齢者にとって冷凍食品の利用はメリットばかりです。

ひとりもしくはふたり分のおかずを作るのは面倒なうえにコストも比較的高いですが、冷凍食品を利用することによって、時短になり手間も省くことができます。
高齢者や、頻繁に買い物に出かけることが難しい方にもメリットが大きいです。
長期保存も可能で、食材を腐らせる心配もないので、お金と食材のムダを減らすことができます。

冷凍技術の進歩

冷凍食品市場の発展に大きく貢献しているのが、冷凍技術の進歩です。

最新の冷凍技術は「急速凍結」と呼ばれ、名称の通り「急速に凍結させる」技術です。
食品を冷凍する際、味が落ちてしまう原因は「氷結晶が細胞膜を破る」ことだといわれています。
通常の凍結技術の場合、最大氷結晶生成温度帯と呼ばれる「-1~-5℃」の温度帯をゆっくりと通過するため、氷結晶が大きくなってしまい、細胞膜を破壊してしまいます。
ここから食材のうまみ成分が流れ出て(ドリップ)、本来の味を損なってしまうため、今までの冷凍食品は美味しくないというレッテルが貼られていました。
しかし、急速凍結の技術を使うことで、この温度帯を速やかに通過させることができるため、食品の味をおいしく保ったまま冷凍保存することができるようになりました。


急速冷凍並びに緩慢凍結の凍結曲線の比較

新型コロナウイルス蔓延による外出自粛

新型コロナウイルス蔓延による自粛生活によって、外食から内食・中食へのシフトが大きく進みました。
全国で休校が相次いだことやテレワークの普及から、家庭内で食事をする機会が増えたことにより、手軽で便利な冷凍食品の需要が一気に高まりました。
そして、2020年以降の冷凍食品市場は、コロナ禍の影響によって大きな変化をみせました。

冷凍食品市場の変化

日本冷凍食品協会によれば、2020年の家庭用冷凍食品の国内生産量は、金額ベースで前年比18.5%増の3,749億円となり、最高値を記録しました。
一方、業務用冷凍食品は、外食やホテルなどの需要減で14.1%減の3,279億円となり、統計開始以来、初めて家庭用の金額が業務用を上回りました。

そして翌年2021年、業務用冷凍食品の国内生産量は回復の兆しがみられ、金額ベースで前年比5.3%増加の3,451億円となりましたが、一方で家庭用冷凍食品は、過去最高だった前年をさらに上回って、5.2%増の3,919億円となり、再び最高値を更新しました。
また、数量ベースでも統計開始以来、初めて家庭用が業務用を上回り、新型コロナウイルスの蔓延以降、家庭用冷凍食品への注目は高まり続けています。


冷凍食品の業務用・家庭用別生産量(金額ベース)

出典:一般社団法人日本冷凍食品協会|令和2年(1~12月)冷凍食品の生産・消費について

手軽で栄養バランスがいい「冷凍弁当」が続々登場している

コロナ禍によって「食」を取り巻く環境が大きく変化するなか、近年需要が拡大しているのが「冷凍弁当」です。
従来の冷凍食品は、自宅で食べる食事またはお弁当のおかずのひとつ、解凍して使用する食材のなかのひとつ、という位置づけでしたが、冷凍弁当は複数のおかずなどがセットになっているのが特徴です。

1パック=1食分になっているため、他のおかずを用意したり、一品ずつ温める手間がなく、栄養バランスの摂れた食事をすぐに食べられるというメリットがあります。
また、最近では糖質制限といった健康志向の消費者向けに、低糖質メニューの冷凍弁当などもさまざまな種類が登場しています。

冷凍食品容器に求められる機能とは?

冷凍食品をおいしく安全に食べてもらうためには、下記の4つの機能に注目して容器を選びましょう。

  1. 電子レンジで温めても溶けない耐熱性
  2. 運搬中の容器割れを防ぐ耐寒性
  3. 品質を保持する密閉性
  4. 環境にやさしい「エコ」

冷凍食品を解凍する際は電子レンジを使用することが多いので、耐熱温度が重要なのはもちろんですが、実は耐寒性も大事です。

プラスチック容器は一定の温度を下回ると凍ってしまうので、運搬時の衝撃で割れやすくなってしまいます。
また、冷凍庫内で長期保存してもおいしさを損なわないためには密閉包装が必須です。
さらに近年では、環境配慮の観点から、プラスチック使用量の削減などの取り組みが盛んに行われており、「エコ」な容器も注目を集めています。

ここからは、それぞれの機能について解説していきます。

電子レンジで温めても溶けない耐熱性

主に弁当や総菜で使用されるプラスチック容器には、ポリスチレン(PS)製とポリプロピレン(PP)製の2種類があります。

ポリスチレン(PS)容器は耐熱温度が80℃前後なので、電子レンジは使えません。
また食品トレーのなかで最も広く利用されている発泡ポリスチレン(PSP)の耐熱温度も80℃前後なので、こちらも電子レンジは使えません。
なかには電子レンジ対応の耐熱性ポリスチレンもありますが、耐熱温度は100℃程度なので、温め方の指示に従って使用することが大切です。

一方、ポリプロピレン(PP)容器は耐熱温度が110℃前後なので、電子レンジの使用が可能です。
ただし、油分や糖分の多い食品は加熱しすぎるとその食品自体が非常に高温になり、容器の変形や食品の焦げの原因になるので、耐熱温度や中身の食材に注意して容器を選びましょう。


材質 耐熱温度 電子レンジ対応
PS(ポリスチレン) 80度 ×
PP(ポリプロピレン) 110度
PSP(発泡ポリスチレン) 80度 ×

運搬中の容器割れを防ぐ耐寒性

プラスチックには剛性(折り曲げても割れない強さ)という性質があるため、ガラスと違って叩いたり落としたりしても簡単に割れることはありません。
しかし、一定温度を下回った環境にさらされると、プラスチックは凍ってしまい、剛性が失われてしまいます。
凍ったプラスチックは非常に脆くなり、衝撃を与えると割れてしまいます。
このようなプラスチックの性質が、運搬中の容器割れ発生の原因です。

一般家庭の冷凍室の温度帯は「-18~-20℃」のため、同等もしくはそれ以下の耐寒温度のプラスチック容器であれば、運搬中でも破損する危険性を回避することができるので、安心・安全な状態で消費者にお届けすることができます。

品質を保持する密閉性

食材に適した包装材料を使用し密閉することで、食品の酸化や乾燥、異物混入を防ぎ、品質の変化や衛生状態を保持できるので、賞味期限の延長、さらにはフードロスの削減に大きく貢献します。
冷凍食品は一般的に積み重ねて保管することが多いので、ある程度の重みがかかっても密閉性が保たれることも重要です。

ここでは、冷凍弁当の主な包装の種類について簡単に説明します。

ナイロンポリ三方シール袋

ナイロンポリは、外層にナイロン、最内層にポリエチレンで構成されているフィルムで、三方シール袋は、袋の三方がシールされている袋のことです。

ナイロンは、酸素バリア性や耐衝撃性に優れていますが、ナイロンだけでは耐熱性が高いため、ヒートシールで袋に加工することができません。
そのため、最内層にシール性が良いポリエチレン層を作ることで、内面のポリエチレンを溶着させ、袋に加工することができます。
この三方シール袋は、食品業界で多く使用されており、陳列時に見栄えが良いです。内容物が熱い場合には、サイドシール部を持つことで熱さを抑えることができます。


フィルム包装の断面図

参照:クリロン化成株式会社|ナイロンポリとは

トップシール包装

トップシール包装とは、プラスチック等の成型された容器に内容物を充填し、蓋となるフィルムを熱シールして密封する包装形態で、ゼリーやヨーグルト、豆腐などの容器で使用されています。
フィルムは一見単層にみえますが、実は2層以上のフィルムで構成されています。

このトップシールの大きな特徴は、シール部の開封が容易であることです。
また、トップシールはトレー底面まで全体を包み込むフィルム包装と比べ、プラスチックフィルムの使用量が削減できるため、環境にも優しい包装形態です。


トップシール包装

ピロー包装

ピロー包装とは、1枚のフィルムを筒状にして背中合わせで貼り付ける包装形態です。
その形状が枕に似ていることから「ピロー」という名が付けられました。

ピロー包装のメリットとして、伸縮力が強く、製品の形状に沿って隙間のない包装ができるので、仕上がりがきれいなことや、食品の保存性を高めるガス充填包装ができることなどが挙げられます。


ピロー包装

環境にやさしい「エコ」

近年、世界規模でプラスチックごみ問題が大きく取り上げられるなど、環境への関心が高まっており、さまざまな分野で環境配慮型商品への移行が進められています。
プラスチックごみ削減などの環境保護につながるだけでなく、消費者からの好感も得やすく、企業や店舗のイメージ向上につながります。

プラスチックから環境負荷の少ない素材への移行や、軽量化や薄肉化によるプラスチック使用量の削減など、環境にやさしい「エコ」な容器を選ぶことが重要です。

冷凍食品におすすめの容器の紹介

ここまでは冷凍対応容器に求められる機能について紹介してきましたが、最近ではさまざまな機能を兼ね備えた容器が数多く登場しています。

ここからは冷凍食品におすすめの容器を紹介していきます。

冷凍からレンジアップまで安心の耐寒性能容器「CT YD/ドン」

中央化学株式会社の「CT」は、ポリプロピレン(PP)にタルクを配合した素材です。
「CT YD/ドン」は耐寒性や耐衝撃性を向上させた「耐寒CT」を使用した容器になります。

耐熱温度は130℃、耐寒温度は静止状態の条件で−20℃となっており、冷凍からレンジでの温めまで幅広い温度帯で使用できます。
こちらの容器は発泡も延伸もない固い素材のため、発泡素材に比べて冷凍効率に優れ、トップシール包装、真空包装、ピロー包装など、さまざまな包装形態に対応できます。


CT YD/ドン

【注意点】
※耐熱性については、電子レンジの加熱時間や中身によって変わるので、必ず検証してください。
※冷凍下における容器の破損や割れについては、中身や温度、運搬条件によって変わるので、必ず検証してください。

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プラスチック使用量を削減した「耐寒PPi-タルクシリーズ」

株式会社エフピコの「耐寒PPi-タルクシリーズ」は一般PPタルクよりも強度や耐衝撃性があるので、シート厚を下げることによって、従来の耐寒PPタルク容器と比べてプラスチック使用量を約40%削減した環境配慮型の容器です。

本体の耐熱温度は130℃なので、電子レンジの使用も安心・安全、またトップシールにも対応可能です。
蓋は耐寒性の高いOPET素材で冷凍環境下でも割れにくく、横からの衝撃でも外れにくい側面嵌合蓋になっています。ただ、蓋の耐熱温度は80℃のため、電子レンジは使用できません。


【注意点】
※耐熱性については、電子レンジの加熱時間や中身によって変わるので、必ず検証してください。
※冷凍下における容器の破損や割れについては、中身や温度、運搬条件によって変わるので、必ず検証してください。

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ど冷えもんにぴったりサイズの「OSA 23-18(56)」

「ど冷えもん」とは、サンデン・リテールシステム株式会社が開発した冷凍自販機です。
各種メディアやSNSで取り上げられ、コロナ禍においても非対面・非接触で安心・安全性が確保でき、24時間販売による売上拡大や、人件費の削減につながるなど、全国各地で「ど冷えもん」の設置が拡大しています。

そんな「ど冷えもん」用で作られた容器が株式会社エフピコの「OSA 23-18(56)」です。
冷凍下で落下しても割れにくく※、使用済ペットボトルをリサイクルした「エコOPET」素材を使用しているため、環境にも配慮した容器になっています(容器に「エコマーク」と「ペットボトルリサイクル品」の刻印あり)。冷凍のラーメンや餃子などの商品におすすめです。
なお耐熱温度は80℃なので、電子レンジは使用できません。


OSA 23-18(56)と冷凍自販機ど冷えもん

※-20℃で24時間冷凍保存後、容器長辺側を40cmの高さから5回連続で落下させ状態を確認していますが、中身や環境によって変わるので、必ず検証のうえご判断ください。

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耐寒トップシール容器「CNシリーズ」

エフピコチューパ株式会社の「CNシリーズ」は、フィルムを剝がさずにそのまま電子レンジが使えるトップシールタイプの容器です。
最初は完全密封ですが、蒸気圧により両端の排出口(スチームホール)部周辺のみフィルムが剥がれ、一定量を越えた蒸気を排出する仕組みになっています。

内圧が一定値以上に上がることはなく、圧力を加え続けられるので、この「蒸らし」効果によって理想的なおいしさを追求できます。
このトップシール包装によってフィルム袋を開封するタイプに比べてレンジ時間を短縮できるだけでなく、プラスチック使用量も削減でき、環境にもやさしい容器です。



【注意点】
※耐熱性については、電子レンジの加熱時間や中身によって変わるので、必ず検証してください。
※冷凍下における容器の破損や割れについては、中身や温度、運搬条件によって変わるので、必ず検証してください。

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環境にやさしい紙容器「K8151シリーズ」

東洋アルミエコープロダクツ株式会社の「K8151シリーズ」は、紙製でありながら冷凍から電子レンジやオーブン調理まで幅広い温度帯で使用できます。
耐熱温度は200℃となっているので、加熱調理も安心・安全な容器です。

紙製の特性を活かしたカラフルな印刷で見た目も鮮やかで、パスタ、ドリア、グラタンなどで多く利用されています。
このシリーズに対応する蓋もありますが、冷凍利用の場合は三方シールやピローなどのフィルム包装がおすすめです。



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環境にやさしいバガス容器「BBランチ ラミ」

バガスとは、砂糖の生産過程でサトウキビから出る搾りかすです。
全世界では年間1億トン以上発生しており、通常はボイラー燃料、飼料、堆肥として活用されますが、余剰分は廃棄されているのが現状です。
そのため、バガスを使用した容器を使用することで、資源の有効活用やプラスチック使用量の削減に貢献できます。

「BBランチ ラミ」はバガス・竹を原料とした100%植物由来の容器です。
温かみのある風合いのため、ナチュラル感を演出できます。
耐熱温度は110℃で電子レンジが使用でき、表面にはPLAフィルムがラミネートされているため、耐油・耐水性に優れ、さまざまなメニューにご使用いただけます。
また仕切があるので、おかず同士が混ざりにくく、冷凍弁当におすすめです。
※ラミ製品で使用しているPLAフィルムは、コンポストなど一定の条件下で生分解されます。


【注意点】
※耐熱性については、電子レンジの加熱時間や中身によって変わるので、必ず検証してください。
※冷凍下における容器の破損や割れについては、中身や温度、運搬条件によって変わるので、必ず検証してください。

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冷凍対応容器はどんどん進化していく

今回は冷凍対応容器に求められる機能とそれぞれの機能性を兼ね備えたおすすめの容器を紹介してきました。

コロナ禍によって、家庭用冷凍食品の生産量(金額ベース)が業務用を上回るという新たな変化が生まれ、今後も中食の拡大とともに、手軽で便利な冷凍食品の需要も拡大していくことが予想されます。
また冷凍食品は長期保存が可能なことから、食品ロス削減にも貢献できるので、持続可能な社会の実現につながります。
そんななか、さまざまな機能を持った冷凍対応容器が次々と開発されているので、今後も冷凍食品を利用した中食サービスは充実していくでしょう。

今回紹介した商品を始め、容器スタイルではさまざまな冷凍対応容器を販売しておりますので、ぜひチェックしてみてください。



この記事を書いた人

長谷川 博俊(はせがわ ひろとし)

長谷川 博俊(はせがわ ひろとし)

2019年折兼に営業職として入社し、名古屋支社に配属。
現場での営業経験を積んだのち、2022年に通販事業部に異動。
通販MDとして容器スタイルの掲載商品数増や、名入れスタイルの顧客対応をしています。
MDとして培った商品知識を生かした記事を執筆していきます。

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