日本における食中毒事故の多くは飲食店で発生しており、令和3年度では717件中283件と、約40%が飲食店での発生でした。
食中毒事故を防ぐために、手洗い、温度管理、洗浄消毒などの対策が必要ですが、「手袋の着用」も食中毒事故を防ぐ上で大切なことです。
日本における食中毒事故の多くは飲食店で発生しており、令和3年度では717件中283件と、約40%が飲食店での発生でした。
食中毒事故を防ぐために、手洗い、温度管理、洗浄消毒などの対策が必要ですが、「手袋の着用」も食中毒事故を防ぐ上で大切なことです。
手洗いをしっかりしても人間の手には菌やウイルスをゼロにすることは非常に難しいので、手袋をすることで食中毒事故のリスクを減らすことができます。
使い捨て手袋の種類
使い捨て手袋はその材質によって種類が分かれ、それぞれ得意・不得意な作業があります。
また、色や厚みにもバリエーションがあります。
使い捨て手袋の種類ごとの特徴を知り、作業に適した手袋を選ぶとよいでしょう。
なお、材質に関わらず、食品を取り扱う際には必ず「食品衛生法適合品」の手袋を使ってください。
材質の違い
使い捨て手袋に使われている材質は主に以下の5つの材質があります。
- ニトリルゴム(合成ゴム)
- ラテックスゴム(天然ゴム)
- 塩化ビニル(PVC、プラスチック)
- TPE
- ポリエチレン
ニトリルゴム(ニトリル手袋)
耐油性、強度に優れており、伸縮性が高く指先にフィットするので、細かい作業の多い調理現場に最適な材質です。
柔軟性があり薬品や油にも強いので、どのような作業にも使える万能タイプですが、その分価格が高いという難点もあります。
後述のラテックス手袋でアレルギーが出てしまう方のために、ラテックス手袋の代替品として利用が増えています。
ラテックスゴム(ラテックス手袋)
天然ゴム手袋とも言われています。
伸縮性が高く指先にフィットし、グリップ力も高いので、包装などの細かい作業に最適です。
※まれにラテックスアレルギーを起こす方がいるので注意してください。
塩化ビニル(塩ビ手袋)
PVC手袋、プラスチック手袋とも言われています。
伸縮性はありませんが、着脱しやすく、作業性にも優れます。ピッタリと着用でき指先の感覚が損なわれにくいので、美容や衛生管理といった細かい作業を要する業種にも向いています。
一方、耐熱性は低く、食品に直接触れることができないので飲食関係には不向きです。
※食品衛生法に適合していない商品(介護向け等)もあるので、使用の際は必ず適合の有無を確認してください。
TPE(TPE手袋)
コストが安く、伸縮性があり指先にフィットがしやすい、ニトリル手袋とポリ手袋の中間にあたる手袋です。
グリップ力はないですが、力のいらない細かな盛り付け作業などに向いています。
ポリエチレン(ポリ手袋)
他の材質と比べて強度や作業性は劣りますが、コストが圧倒的に安いです。
簡単な盛り付け作業や、手袋を頻繁に交換する作業に適しています。
薬品・溶剤や油に強く広い用途使いやすいものの、強度が低いので長時間の作業や負荷のかかる作業には不向きです。
色の違い
食品を扱う現場においては、手袋が破れた際に、破片が見つかりやすいよう青色の手袋を使う場合が多いです。
また、ホール担当や、客席から見えるタイプの厨房では、食欲を減退させる青色を嫌い、清潔感のある白色などを使う店舗もあります。
ニトリル手袋やポリ手袋は青、白(透明)、桃、緑などカラーバリエーションが豊富で、使用用途や雰囲気によって好みの色を選ぶことができます。
厚みの違い
同じ材質の手袋でも、厚みが違うと強度が大きく変わります。
硬い物などを取り扱う場合は、強度を上げるために厚みのある手袋を選ぶのがいいです。
反対に、作業性の向上やコストダウンを図りたい場合は、薄いタイプの手袋がオススメです。
粉あり・粉なしの違い
ニトリル手袋とラテックス手袋(、一部の塩化ビニル手袋)に限りますが、粉有りの製品と粉無しの製品があります。
粉有りの手袋は濡れた手でもはめやすいというメリットがありますが、粉が手荒れの原因になったり、料理や調理衣に粉がついてしまうデメリットもあります。
最近では、調理現場においては粉無しが主流となってきています。
シーン別おすすめ使い捨て手袋
ここからは、シーン別におけるオススメの使い捨て手袋を紹介します。
似たような状況でお困りであれば、ぜひ参考にしてください。
オシャレな雰囲気のお店やキッチンカーには「黒のニトリル手袋」
2066 ニトリル使いきり手袋 フェリーチェ 粉無 ブラック
カフェやイタリアンなど雰囲気を大切にしたい場合や、キッチンカーなど調理後にそのままお客様に料理を渡す場合は、黒のニトリル手袋がオススメです。
ニトリル手袋はフィット感があるので、手袋をつけていてもだぶついた印象を受けません。
また、黒色なので汚れが目立たず、お客様へ不快感を与えにくいことに加え、黒色は店内の雰囲気を壊しません。
黒色以外にも、桃色や緑色のニトリル手袋もあるので、店内の雰囲気に合わせて他の色を選ぶのもいいと思います。
ニトリル手袋やラテックス手袋は、作業性はいいですが、「お米がくっつく」という弱点があります。
塩化ビニル手袋は米がくっつきにくく、作業性もいいので、おにぎり、寿司、和菓子(もち米)などを扱う場に一押しの手袋です。
また、TPE手袋、ポリ手袋も米がくっつきにくいので、作業性を求めないのであればコストを抑えて使用できます。
※使用の際は必ず食品衛生法適合の有無を確認してください。
バイキングコーナーなど、お客様が自身で料理を取る場合に、菌・ウイルスの持ち込み防止の為に手袋を配布・配置する光景が増えてきました。
その際は、作業性を気にする必要がないので、最も安価なポリ手袋がオススメです。
ポリ手袋には、作業性をよくするためにエンボス加工がかかっており、持ったものが滑りにくい外エンボス、手を入れやすい内エンボス、価格重視の片エンボスなどがあります。
バイキングコーナーは価格を重視して最も安い製品を選ぶのがいいでしょう。
袋詰め作業など、フィルムをめくる作業の場合は、ラテックス手袋がオススメです。
ラテックス手袋はグリップ力が非常に高いので、手袋をしたまま袋の口を簡単に開けられます。
パン屋などの個包装する商品が多い業態はぜひお試しください。
食材を洗ったり、洗い物をしたりすると、手が濡れて手袋がはめにくくなります。
そこでオススメするのが、スムースタイプのニトリル手袋です。
スムースタイプのニトリル手袋は、内面に特殊加工をほどこしており、粉無しタイプでありながら濡れた手でもスムーズに手袋を着用できます。
トイレ清掃をする際、使いまわしのゴム手袋を使っている店舗も多いと思います。
しかし、使いまわしタイプの手袋は、使用後の管理を誤ると逆に汚染を広げてしまう恐れもあります。
そこで、清掃時の手袋を使い捨てタイプにし、清掃のたびに新品を使用することで、確実に清潔な手袋で清掃作業ができます。
ロングタイプのポリ手袋は、水を使う作業でも腕が濡れにくく、材質もポリエチレンなので経済的です。
トイレ清掃以外(混ぜ物・和え物作業や洗いもの作業等)に使用する場合でも、使用用途ごとに色分けをすることで、さらに衛生レベルを上げることができます。
この記事を書いた人
古澤 長流(ふるさわ たける)
古澤 長流(ふるさわ たける)
2018年折兼に営業職として入社し、名南営業所に配属。
現場経験を積んだのち、2019年に折兼ホールディングスの衛生管理グループに異動・転籍。
日々、衛生について勉強中。
大学時代は病原菌について研究していたので、学んだことを生かして食の安全に役立つ記事を執筆していきます!
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