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【2024年5月時点】飲食店が使える補助金・助成金まとめ

補助金と書かれたブロックの写真

この記事は、食品容器・資材専門の通販サイト「容器スタイル」が監修しています。

国や自治体では、飲食店が利用できる補助金や助成金の制度を各種設けています。

申請時には、必ず公式サイトで最新の情報を確認してから申し込むことが必須ですが、公式サイトは情報量が多すぎてわかりにくいと感じる方も少なくはないでしょう。
そこで今回は、各補助金や助成金制度の特徴や条件をわかりやすく説明します。

「自店舗で使えそうな補助金はあるか?」「それぞれの補助金はどんなものか?」など、飲食店で使える補助金についてざっくりと理解したい方は、ぜひ参考にしてください。

読む前に!絶対に把握しておきたい補助金・助成金の基本

補助金と助成金は明確な違いはありませんが、一般的に補助金は公募期間が短めく、支給額が多い傾向があります。
その分、助成金に比較すると審査内容も厳しい印象です。

補助金・助成金制度を利用する際には、いくつかの注意点があります。詳しく紹介していきましょう。

補助金・助成金は後払い。事前に資本の用意が必要!

補助金・助成金は、基本的に事業(支給対象行為)の実施後に後払いで支給されます。
そのため、補助金・助成金の申請を行い支給が決定しても、事業を実施するには自己資金を必要とします。
給付金をあてにし過ぎない、余裕を持った資金計画が大切です。

補助金は必ずしも給付してもらえるわけでない

助成金は要件を満たせば受給できるケースがほとんどですが、補助金は審査を経て採択された場合にのみ補助対象となるため、申請しても必ず受給できるわけではありません。
採択してもらうためには、申請書に記載する内容や添付書類の充実度などが大変重要になります。

事業期間内の支出のみが補助対象

補助金・助成金制度では「事業実施期間」が定められており、期間外に発注・契約・登録等をしたものに関しては補助の対象となりません。

また、事業実施後には「実績報告書」を提出する必要があります。
発注書、納品書、銀行振込明細書、領収書等、経費支出の証拠となる書類が必要になるため、必ず保管しておきましょう。

不正受給は絶対にしない!

補助金・助成金の不正受給が発覚すると、事業者名、代表者名、受給額などが公開され、最悪の場合、詐欺罪で刑事告発のうえ逮捕に至るケースもあります。
社会的信用が失墜することはもちろん、給付金の返還など資金繰り面でもマイナスしかありません。

飲食店が使える補助金一覧


補助金の書類

現在、飲食店で利用できる補助金・助成金制度は以下の通りです。


補助金名 概要 上限額・最大補助率
小規模事業者持続化補助金 小規模事業者の持続的発展と生産性向上を目的とした制度 ・最大上限額:200万円
・最大補助率:2/3
事業再構築補助金 新分野展開や業態転換、事業再編等を支援する制度 ・最大上限額:1億円
  ※サプライチェーン強靱化枠は3億円
・最大補助率:3/4
IT導入補助金 業務効率化やDX促進等のITツール導入を支援する制度 ・最大上限額:450万円
・最大補助率:4/5
ものづくり補助金 開発や生産プロセス改善のための設備投資等を支援する制度 ・最大上限額:8,000万円
・最大補助率:2/3
雇用調整助成金 雇用調整のために要した費用を助成する制度 ・最大上限額:8,490円/1人1日
・最大補助率:2/3
キャリアアップ助成金 非正規雇用労働者の処遇改善への取り組みを支援する制度 ・最大上限額:80万円

※申請の際には必ず最新の情報を公式サイトでご確認ください。

それぞれの制度について、概要や補助金額などを詳しく紹介していきます。

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者に対し、持続的な経営に向けた経営計画を作成したうえで行う販路開拓や生産性向上への取り組みを支援する制度です。
直近では令和6年5月20日に第16回公募が締め切られており、今後の公募は未定です。

対象事業者(飲食店の場合)

常時使用する従業員が5人以下の事業者

※小規模事業者持続化補助金の場合、会社役員、個人事業主本人及び同居の親族従業員、育児・介護・傷病休業中または休職中の社員、一定条件を満たすパートタイム労働者等は「常時使用する従業員」に含まれません。

対象経費

機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費、旅費、新商品開発費、資料購入費、雑役務費、借料、設備処分費、委託・外注費

補助上限金額・補助率


補助上限額 補助率
通常枠 50万円 2/3
※賃金引上げ枠で赤字事業者は3/4
賃金引上げ枠 200万円
※インボイス特例の要件を満たす事業者はプラス50万円
卒業枠
後継者支援枠
創業枠

※上記のうちいずれか1つの枠のみ申請が可能

インボイス特例の適用条件は、2021 年 9 月 30 日から 2023 年 9 月 30 日の属する課税期間で一度でも免税事業者であった又は免税事業者であることが見込まれる事業者及び 2023 年 10 月 1日以降に創業した事業者のうち、適格請求書発行事業者の登録を受けた事業者であることとされています。
ただし、補助事業の終了時点でこの要件を満たさない場合は、特例は適用されないためご注意ください。


公式サイトはこちらから確認できます。

事業再構築補助金

概要

ポストコロナ・ウィズコロナの時代の経済社会の変化に対応するため、中小企業等の新分野展開や業態転換、事業・業種転換、事業再編を支援する補助金制度です。
2024年5月15日現在は第12回公募(令和6年4月23日~令和6年7月26日)が開始されていますが、申請受付開始日は調整中となっています。

対象事業者(飲食店の場合)

・中小企業(資本金5,000万円以下または常勤の従業員数が100人以下の会社)
・中堅企業(資本金額または出資総額が10億円未満、もしくは常勤の従業員数が2,000人以下)

対象経費

建物費、機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費、研修費、廃業費(※成長分野進出枠(通常類型)のみ)
※「サプライチェーン強靭化枠」の対象経費は、建物費と機械装置・システム構築費に限る

補助上限金額・補助率

上限額は従業員数により異なります。
表では、従業員数30人の場合の上限額を記載しています。


中小企業 中堅企業
成長分野進出枠(通常類型) 上限額:3,000万円
補助率:1/2
上限額:3,000万円
補助率:1/3
成長分野進出枠(GX進出類型) 上限額:5,000万円
補助率:1/2
上限額:1億円
補助率:1/3
コロナ回復加速化枠(通常類型) 上限額:2,000万円
補助率:2/3
上限額:2,000万円
補助率:1/2
コロナ回復加速化枠(最低賃金類型) 上限額:1,500万円
補助率:3/4
上限額:1,500万円
補助率:2/3
サプライチェーン強靭化枠 上限額:3億円
補助率:1/2
上限額:3億円
補助率:1/3

公式サイトはこちらから確認できます。

IT導入補助金


レジでバーコードを読み取る様子

概要

業務効率化やDX促進、セキュリティ対策等、様々な経営課題を解決するためのITツール導入を支援するための補助金制度です。
2024年5月15日現在、すべての枠で令和6年2月16日より交付申請が開始されており、締切日についてはインボイス枠(インボイス対応類型)が令和6年4月30日、それ以外の枠では令和6年5月20日が設定されています。ただし、次の交付スケジュールも発表されているため、交付申請は順次開始されるものと考えられます。

対象事業者

中小企業・小規模事業者

対象経費

・通常枠
ソフトウェア購入費、クラウド利用料、ソフトウェア等に付随する機能拡張・連携ツール・セキュリティ費、導入コンサルティング料、導入設定・マニュアル作成・研修費、保守サポート費

・インボイス枠(インボイス対応類型)
インボイス制度に対応する会計等の機能を有するソフトウェア購入費、ソフトウェア等に付随する機能拡張・連携ツール・セキュリティ費、導入コンサルティング料、導入設定・マニュアル作成・研修費、保守サポート費、PC等のハードウェア購入費

・インボイス枠(電子取引類型)
インボイス制度に対応する受発注の機能を有するソフトウェア購入費

・セキュリティ対策推進枠
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)による「サイバーセキュリティお助け隊サービス」のITツール導入費およびサービス利用料(最大2年分)

補助上限金額・補助率


補助上限額 補助率
通常枠 450万円 最大1/2
インボイス枠(インボイス対応類型) 会計・受発注・会計ソフト:350万円 最大2/3
PC・ハードウェア等:20万円 最大1/2
インボイス枠(電子取引類型) 350万円 最大2/3
セキュリティ対策推進枠 100万円 最大1/2

公式サイトはこちらから確認できます。

ものづくり補助金

概要

中小企業や小規模事業者が取り組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援する補助金制度です。
2024年5月15日現在は第18次公募(令和6年1月31日~令和6年5月9日)が開始されており終了し、次の公募スケジュールは未定となっています。

対象事業者(飲食店の場合)

・資本金5,000万円以下、常勤の従業員数が100人以下の中小企業
・「中小企業等経営強化法」第2条第1項に規定される、特定の組合に該当する中小企業
・常勤の従業員数が5人以下の小規模企業または個人事業主
・資本金額または出資総額が10万円未満、従業員数が300人以下の特定事業者の一部

対象経費

・共通
機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費

・グローバル枠のみ
海外旅費、通訳・翻訳費、広告宣伝・販売促進費

補助上限金額・補助率


補助上限額 補助率
省力化(オーダーメイド)枠 従業員数
5人以下 :100万円~750万円
6~20人 :100万円~1,500万円
21~50人 :100万円~3,000万円
51~99人 :100万円~5,000万円
100人以上:100万円~8,000万円
中小企業:1/2
小規模事業者:2/3
製品・サービス高付加価値化枠(通常類型) 従業員数
5人以下 :100万円~750万円
6~20人 :100万円~1,000万円
21人以上 :100万円~1,250万円
中小企業:1/2
小規模事業者:2/3
新型コロナ回復加速化特例:2/3
製品・サービス高付加価値化枠(成長分野進出類型) 従業員数
5人以下 :100万円~1,000万円
6~20人 :100万円~1,500万円
21人以上 :100万円~2,500万円
2/3
グローバル枠 3,000万円 中小企業:1/2
小規模事業者:2/3

公式サイトはこちらから確認できます。

雇用調整助成金


雇用調整助成金と書かれたブロックを持った手

概要

景気変動や経営上の理由から事業活動の制限を余儀なくされた事業主が、雇用調整のために実施する休業・教育訓練・出向に要した費用を助成する制度です。
申請期間の定めはなく随時受付となっていますが、1年の期間内に実施した雇用調整について支給対象となるため、早めの申請検討が重要です。

対象事業者

受給するためには、次の要件のいずれも満たすことが必要です。

(1)雇用保険の適用事業主であること。
(2)売上高又は生産量などの事業活動を示す指標について、その最近3か月間の月平均値が前年同期に比べて10%以上減少していること。
(3)雇用保険被保険者数及び受け入れている派遣労働者数による雇用量を示す指標について、その最近3か月間の月平均値が前年同期に比べて、中小企業の場合は10%を超えてかつ4人以上、中小企業以外の場合は5%を超えてかつ6人以上増加していないこと。
(4)実施する雇用調整が一定の基準を満たすものであること。
〔1〕休業の場合
労使間の協定により、所定労働日の全一日にわたって実施されるものであること。(※1)
※1 事業所の従業員(被保険者)について1時間以上実施されるものであっても可。

〔2〕教育訓練の場合
〔1〕と同様の基準のほか、教育訓練の内容が、職業に関する知識・技能・技術の習得や向上を目的とするものであること(※2)。
※2 受講者本人のレポート等の提出が必要です。

〔3〕出向の場合
対象期間内に開始され、3か月以上1年以内に出向元事業所に復帰するものであること。
(5)過去に雇用調整助成金の支給を受けたことがある事業主が新たに対象期間を設定する場合、直前の対象期間の満了の日の翌日から起算して一年を超えていること。ただし、令和6年4月1日以降に対象期間の初日がある事業主の場合、前回の対象期間の満了の日の翌日から起算して1年間ではなく、前回の対象期間内の最後の判定基礎期間末日もしくは支給対象期末日(いずれか遅い日)の翌日から起算して一年を超えていること。

参照:雇用調整助成金―厚生労働省

補助上限金額・補助率


補助上限額 補助率
休業・教育訓練 賃金相当額に補助率を乗じて得た額
上限額:8,490円/1人1日
大企業:1/2
中小企業:2/3
出向 賃金に対する負担額に補助率を乗じて得た額
上限額:雇用保険基本手当日額の最高額に330/365及び支給対象期の日数を乗じて得た額

公式サイトはこちらから確認できます。

キャリアアップ助成金

概要

契約社員・派遣社員・アルバイト・パートなど、非正規雇用労働者のキャリアアップ促進(処遇改善)への取り組みを行った事業主を支援する助成金制度です。
ただし、事業主や取締役の親族(配偶者、3親等以内の血族および姻族)に対し実施した取り組みについては助成対象外となるため、家族経営による飲食店の場合は注意が必要です。
申請期間の定めはありませんが、事業実施日の前日までに「キャリアアップ計画」を提出し、取り組み後6ヶ月の賃金を支払った翌日から2ヶ月以内に支給申請することが求められます。

対象事業者

以下すべてに当てはまる事業者
①雇用保険適用事業所の事業主

②雇用保険適用事業所ごとに、キャリアアップ管理者を置いている事業主
※キャリアアップ管理者は、複数の事業所および労働者代表との兼任はできません。

③雇用保険適用事業所ごとに、対象労働者に係るキャリアアップ計画を作成し、管轄労働局長の受給資格の認定を受けた事業主

④実施するコースの対象労働者の労働条件、勤務状況および賃金の支払い状況等を明らかにする書類を整備し、賃金の算出方法を明らかにすることができる事業主

⑤キャリアアップ計画期間内にキャリアアップに取り組んだ事業主
(支給申請時点で各コースに定めるすべての支給要件を満たしている事業主)

参照元:キャリアアップ助成金のご案内(令和6年度版)―厚生労働省

助成額


大企業 中小企業
正社員化コース 有期雇用:60万円
無期雇用:30万円
有期雇用:80万円
無期雇用:40万円
賃金規定等改定コース 賃金引上げ率
3%以上5%未満:3万3,000円
5%以上:4万3,000円
賃金引上げ率
3%以上5%未満:5万円
5%以上:6万5,000円
賃金規定等共通化コース 45万円 60万円
賞与・退職金制度導入コース 1制度のみ導入:30万円
両方導入:42万6,000円
1制度のみ導入:40万円
両方導入:56万8,000円
社会保険適用時処遇改善コース 手当等支給:30万円
労働時間延長:22万5,000円
手当等支給:40万円
労働時間延長:30万円

公式サイトはこちらから確認できます。

まとめ

今回は、飲食店で使える補助金・助成金制度をまとめてご紹介しました。
補助金が受給できれば経営の大きな助けとなりますが、各制度の要件や期間は煩雑な内容のものも多く、独自で申請を行うのは容易ではありません。申請検討時には、商工会議所や商工会など無償でアドバイスを受けられる身近な機関を頼ることも必要です。
経営状態をマイナスからゼロにするだけでなく、ゼロからプラスにする発展性のある事業計画を考案し、自店の営業内容にマッチする制度を選択しましょう。

※本記事は令和6年5月15日現在の情報に基づいて作成されたものです。最新の情報は、各制度の公式ホームページでご確認ください。

この記事を書いた人

松井 誠一郎(まつい せいいちろう)

松井 誠一郎(まつい せいいちろう)

2020年折兼に入社。
EC事業部にてキャンペーンやセールなどの企画を担当しています。
折兼入社前は医療機器メーカーで営業を担当。
食品包装資材については日々勉強中ですが、お客様のお悩みを解消できる記事を執筆できるよう、精進してまいります!

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